病気やケガなどにより手や足、腰や首など体の部位に、痛み、損傷、麻痺などが生じたときに、治療や症状の軽減を目的として装着する器具です。
手や腕に装着する装具を上肢装具、脚に装着する装具を下肢装具、腰、胸、首に装着する装具を体幹装具と呼びます。また、治療、リハビリ、日常生活の補助などの目的で使用するものや、進行する病状の予防や矯正を目的とするものもあります。
頻度の高い装具処方として、靴に入れる足底板(以下、インソール)があります。インソールを個々の患者様の足に合った物へ変更することで【安定性・衝撃吸収性・快適性・筋肉および各関節の負担軽減】が期待できます。
「四肢・体幹の機能障害の軽減を目的として体表に装着して,機能を補助する器具」(JIS用語)を言います。
医師が治療において、痛みの軽減や変形の抑制、矯正等を目的として必要であると診断し、処方のもとで製作、装着される物であり、足底装具とは主に足に使用する物を指します。
歩行時に足裏や、膝・腰に痛みを感じたり、歩いていない時でも違和感や痛みを覚える方には、症状に合ったサポートを行う事で症状を軽減させる一歩に繋がるかと思います。
一般的に装具治療に繋がる代表疾患として、
等が挙げられます。
市販品で販売されている多くのインソールは既製品と呼ばれる(いわゆる出来合いのもの)物が多いです。
既製品とは多くの使用者様のニーズにむけて作られている物で、疲労の軽減やスポーツのパフォーマンスアップに向けて作られる物が大半です。
また、既製品は多くの使用者に満足してもらえるように作っているため、基本的にはすぐに使用できるように加工を施さずとも使える物が多いようです。
そのため、既製品のメリットとは安価でそこそこ効果を感じることができ、購入後すぐに使用できることだと思われます。
しかし、既製品ではお悩みを解決できない場合もございますので、その際には症状に合わせたインソールをオーダーメイドで作る事も検討します。
既製品には無い機能性をオーダーメイドでは付与する事も可能ですし、素材の組み合わせを変えることによってより多くの症状へアプローチすることができます。
ただし、そんな「かゆいところに手が届く」インソールですが、欠点として作製にある程度日数をいただくこと、費用は既製品に比べると高くなってしまうことです。
しかしながら、足のお悩みが整形疾患に該当する場合は保険適用が認められるケースもあるため、医師にご相談されるのも一つの方法だと考えます。
インソールの効果は靴の機能性に左右される側面を持っています。
インソールは足底面を支え、靴は足全体を覆うことで人の土台を支えます。
ですから、症状に対して適切なサイズや機能を有した靴を選び、適切にインソールを合わせることで相乗効果により結果に差がでます。
つまり、お履きの靴が柔らか過ぎたり脱ぎ履きしやすい構造ですと、インソールの効果は減っていく傾向にあると考えます。
インソールの効果を最大限引き出すための靴選びは意外と難しく、経験や知識が必要になることもありますので、もしご自身で靴選びが難しいようでしたら、シューフィッターが在籍している専門店にご相談されるのも良いかと思います。
医師が必要だと判断・処方した装具に限り保険適用とされるため、医師が必要と判断する前に製作および購入した物は保険適用にはなりません。
医師の処方が出た後に、義肢装具士が採型・採寸を行い、患者様に合わせて装具を製作し納品いたします。
納品後、医師の治療用装具製作指示装着証明書・装具業者の領収証が発行されますので、そちらを患者様の属する保険機関に療養費支給申請書を準備してお手続きをしていただきますと、装具代金の7~9割が還付される運びとなります。(※還付される金額には個人差がありますので、保険機関にご確認ください。)
今までに既製品のインソールや、保険適用で装具を作ったことが有るけれど、効果が得られなかったと感じた方がもしいらしたなら、それはどのような靴に入れたのか、入れたインソールの厚みは靴のフィッテイングに合っていたのか、使用時に足を靴の踵に合わせて靴紐の締め加減の調整が適切に行われていたのか(スリッポンタイプの靴ではインソールの効果が得られにくいことも有ります)
靴の耐久性に問題は無かったのか等を見直していただく必要があるかもしれません。
気を付けていただきたいのは、インソールは使用時には適切な靴の履き方で効果を発揮するということです。
治療用装具を合わせるのに適していると思われる靴は、インソールが外せる靴で、サイズが使用者様に適していること、靴底に過度なすり減りが無いこと、靴紐やベルトで調整が可能なこと等が挙げられます。
また症状によっては靴底の形状や素材も足の痛みを軽減するために向き不向きがございます。
詳しくお知りになりたい方は、当院の靴の相談会にて実際に相談しながら靴のお試しをお勧めします。
よくあるお悩みのひとつである外反母趾については、こちらのブログでメカニズムと対処法についてご説明しておりますのでご覧ください。
1. 諏訪の杜整形外科で採型を行ったモデルに石膏を流し、患者様の症状に合わせて硬化した石膏モデルに矯正を加えるように削ります。
2. 削ったモデルに切り出した素材、芯材等を熱圧縮成型し、グラインダーで削って形を整えます。
3. 患者様と後日仮合わせを行い、納品します。