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こんにちは!

当院で鍼灸治療を担当している内原です。

前回のブログでは鍼の持つ鎮痛作用についてご紹介しましたが、今回は少し目先を変えて、鍼による「抗炎症作用」についてご紹介いたします✨

そもそも「炎症反応」というのは身体にウイルスや細菌が感染したり、打撲や切り傷など外傷によって細胞が破壊されたりした時に、身体を守ったり修復しようとして起こる反応です。

ただ、その体を守るための「炎症反応」も、過剰になりすぎると返って身体にとって害になりますし、原因不明の様々な疾患の背景に慢性的な「炎症」があるとも言われています。

新型コロナウイルス感染症でも急激に炎症反応が進み、全身状態が悪化する「サイトカインストーム」が問題になりしました。

炎症反応をどのように抑えるのか様々な取り組みや研究がなされていますが、今回注目したいのは2021年に科学雑誌のNatureに掲載された鍼刺激によって炎症反応を抑える「抗炎症作用」についての研究です(A neuroanatomical basis for electroacupuncture to drive the vagal-adrenal axis.)。1) 

この研究では、足三里と呼ばれる下腿にあるツボに、ある特定の方法で鍼通電刺激を行うと迷走神経反射が引き起こされ、副腎からドーパミンの分泌が亢進し炎症反応を抑えるという作用が確認されています。

こうした鍼刺激による抗炎症作用が、新型コロナウイルス感染症の後遺症をはじめ、慢性的な炎症が背景にあるとされる病気の方々の症状の改善に役立つのではないかと期待されています。

当院でも上記の鍼刺激の方法を医師の指導のもとで積極的に取り入れておりますので、お悩みのある方は是非ご相談ください😊

 【参考文献】 1)Shenbin Liu,Zhifu Wang,Yangshuai Su, Lu Qi,Wei Yang,Mingzhou Fu, Xianghong Jing, Yanqing Wang, and Qiufu Ma. A neuroanatomical basis for electroacupuncture to drive the vagal-adrenal axis. Nature. 2021 Oct; 598(7882): 641–645. (https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9178665/